前回のおさらい
前回に引き続き、上司との関係性について考えていきたいと思います。相談を受けることが多い悩みは以下の3点になります。
1. 上司との関係性・やりとりについて
- 上司のいうことには従いがちになる。
- 上司が怖い。会社に行くのが嫌になる
2. 上司の人間性について
- 毎回上司の言っていることが変わる。気分屋すぎる。
3. ゆるブラック化に関する悩み(新入社員など、Z世代に多い)
- 上司が仕事を振ってくれずに暇を感じる。
- 今の上司の元では成長できる気がしない。
前回は「1. 上司との関係性・やりとり」に対する悩みを考察し、上司から信頼される・相談される関係性を築くために、何か一つ自分の強みを磨くのが良いのではないかと言う提案をさせてもらいました。
もし気になる方がいらっしゃいましたら、下記リンクから前回のブログを読んでみてください。
今回は「2. 上司の人間性について」と「3. ゆるブラック化に対する悩み」に対する解決策を少し考えてみようと思います。
2. 上司の人間性について
・毎回上司の言っていることが変わる。気分屋すぎる。
これに関しては、上司側に非があるケースが多いので、いかに理不尽を言わせないようにするかが非常に大切です。ただ今回は上司を変えるという方法ではなく、自分がどうスタイルを変えていくかということをメインにします。その方がきっとポジティブです!
過去の経験から学ぶ
Aさんは大企業に所属しており、2回目の部署異動でマーケティングの部署に異動した。そこで出会った課長が、部長や本部長の匙加減で言い分を180度変える「出世欲の塊」課長だったらしい。
その課長のせいで、何のために仕事をやっているのか分からなくなり、会社を辞めるか部署異動を申し出るか真剣に悩むようになったらしい。
とあるプロジェクトで、製品の実証実験とマーケティングを同時並行で行うことになった。本製品は人口密度の高いエリアで使うことを想定されており、都内での活動が一番製品に対する負荷が強く実証実験にも最適で、マーケティングの観点でもより多くの人に調査をかけることができるため、ベストだと考えた。
その後、実証実験計画書とマーケティング戦略を先輩と立て、協力会社選定・場所選定を始めた、そして課長に承諾をとり、本格的に活動を開始した。
しかし、問題は起こった。関係各所に調整をし始めた時、課長から「緊急の打ち合わせだ」と呼び出しを受け、先輩とAさんそして課長で打ち合わせをすることになった。
そこで耳を疑うことを言われた。
「実証実験の場所を変えてくれないか」と。
課長がこれを言った理由は簡単だ。部長が、「仙台とか福岡とかの地方都市でやりたい」と言ったからだそうだ。これは憶測だが、出張理由を作りたかったからとかそんな感じで軽く課長に言ったのではないかとAさんは言っていた。
会社の命運を今後握るであろう新規製品開発の大切な工程を、部長の趣味嗜好で変更しようと言い始めたのである。
この時Aさんは以下のように思ったという。
「この課長は、製品を見ていない。部長だけを見ている。なぜ言うことを聞かなくてはいけないのか」と。
その後、Aさんは課長に地方都市ではできないと言う説明をし、説得した。しかしその後、課長からは渋い顔をされ、しまいには影で「Aは扱いにくいな」と言われていたらしい。
「こんな職場、熱意を持って働いている人からしたら、病むに決まっている。」とAさんは言っていた。
Aさんが唖然としたのも容易に想像できます。Aさんは自分が属しているプロジェクトに愛着を持っていたし、時間をかけてマーケティングの計画も練ったのでしょう。ただ、部長の一言で、課長がすでに承諾したプランを変更しろと言われているのですからこんなに腹が立つことはないでしょう。それに、大小はあるが私も似たような経験があったので非常に共感したことを覚えています。
まず、上記のケースでポイントになるのは、「上司と目的のシェアができていない場合」に起こります。
プロジェクトを発足させた時、全員が同じ方向を向いており、それをマネージャーサイドまで伝えることが大切です。マネージャーは現場を全て見ることは不可能なので、仕事に対する思いがズレることがあります。それに加えて、打ち合わせ時、進捗報告を優先しすぎてしまうと、マネージャーの心はプロジェクトの成功よりも、いかにこのプロジェクトで自分の評価を上げるかというマインドに変化する可能性もあります。思いをもっと伝えなければいけないのです!
管理職と社員が報告だけの関係で、管理職にモチベーションが届いていない場合、よからぬ方向に動く可能性があります。上記の図のように、マネージャーの目的とプロジェクトメンバーの目的に大きな乖離を生む原因になるのです。プロジェクトメンバーはプロジェクトに意義を感じ、モチベーションがある。そして素晴らしいチームメンバーにも恵まれているとしましょう。しかし合理的な報告のみでは、それを見る術はありません。そのため、管理者と目的や目標を共有できず、あらぬ指示やよからぬ展開になってしまったりするのだと思います。
私の場合、直属の上司は必ずプロジェクトの一員であるという思いを持ってもらうようにしています。そのプロジェクト内で起こった良いことも悪いことも、悔しかったことも共有しています。そうすることで、プロジェクトメンバーの思いを知ってもらえるし、仮に上司の上から意味のわからない指示が飛んできたとしても、課長が守ってくれるでしょう。要は思い入れを作ることが大切なのだと思います。課長も人間ですので、「仲間である」と心から言ってくれたら嬉しいはずです。そのため、まずは以下の図のような関係値を目指すことが良いのではないでしょうか。
このように、マネージャーもプロジェクトメンバーも、全体で目的やモチベーションを共有できる状態を作ることが、マネージャーとの関係性を良好にして、明日からまた少し仕事を楽しくするための秘訣になるのではないでしょうか?
もちろん、ここまで努力をしてもプロジェクトを壊してしまうような管理者もいます。そう言う場合は早い段階で、部長や経営者に相談するか、人事に相談して協力してもらうことが大切です。
3. ゆるブラック化に関する悩み(新入社員、Z世代に多い)
- 上司が仕事を振ってくれずに暇を感じる。
- 今の上司の元では成長できる気がしない。
これは幸せな悩みだと思います。
実際、学生時代はお金を払って勉強を教えてもらっていたはずなのですが、この状況だとお給料をもらいながら自由時間を与えられるということになるので、自分次第で成長できる環境は整っていると言えます。もちろん、現場経験などをもっと多く積みたいという思いはあると思いますが、現場経験がたくさんできたからといって知識やスキルの向上に常につながるとは限りません。特に、スキルというのは、知識を取得しそれを現場で応用、そして使えるスキルに変換していくというサイクルが重要になってくると思うので、下地を作る時間はどうしても必要です。放置される時間があるなら、「ラッキー!勉強だ!下地作りだー!」と思っていれば良いのです。
このデジタル全盛期の場合、放置されたら、自分でUdemyでもLinkedin Learning, Youtubeでも何でも開いて学ぶチャンスはいくらでもありますし、そういう時間を有効活用してやろうという思いが非常に大切です。
<外部リンク>
Udemy
Linkedin Learning
それに、少しでも基礎がわかっていた方が、先輩も現場に連れて行きやすいし、プロジェクトメンバーにも入れやすいのは事実だと思います。放置されているといわず、恵まれた環境だと思って自己研鑽に励めば良いのではないでしょうか?そうすれば、いずれは上司や先輩から仕事がたくさん降ってくるし、何より成長につながるでしょう。
急がば回れ。
自分の知識をまずは着実に蓄えて、そこから重宝される人材となって、現場に出ていけば、力はついていくと思います。どちらにしろそんなにすぐ力はつかないし、長年努力している人が活躍しているのはどこの職場を見ても同じですし、私の友達や同僚を見ていても思います。
まとめ
上司との関係はさまざまで、部下側が解決できない問題もあります(ハラスメント関連など)。この場合は速やかに他の人に相談して解決する努力をした方が良いです。しかし、半分以上のケースは解決するための努力が少しでもできそうだと思えるものでした。
そのため、どうやって上司から重宝される人材になるかを考え、取り組みを変えていくことが大切なのではないかと思いました。
Podcastsについて
現在、新卒社員3名と私の合わせて4名で、「明日をもっと明るく」をテーマにPodcastsを配信しています。時には雑談、時には真面目な話と、気軽に片手間で聞いていただくには丁度良いコンテンツになっています!仕事に行きたくないと思える日曜日の夜、緩みやすい水曜日の夜の週2回新しいコンテンツを発信していますので、是非聞いていただけると嬉しいです。
今回の内容はPodcastsの第2回の内容になっています。