就職活動で必ず問題になるのはES(エントリーシート)の書き方です。世の中にはたくさんの仮説や理論があり就活生の皆さんが翻弄されているのも頷けます。今回は、採用担当として数万枚のESを読んだ経験に基づき、どのようにすれば「選考を通過しやすいESになるのか」を考えていきたいと思います。
今回は小手先のテクニックなどではなく、純粋にこういうESが読んでて採点者の心に響くという「本質的」な部分をご紹介します。
ESとは?
ESと聞いたときに、「なぜこんなことをしなくてはいけないのか?」と思う人はたくさんいます。しかし、ESを書く理由に関しては企業側のメリットを把握することで、理解することができます。
会社側の気持ち
会社側はみなさんのESを読みたいと思っていると思いますか?私個人の経験からすると「No」です。ESでは人を完全に理解することはできないため、私なら全員と面談したいと思います。しかし、いきなり数千人・数万人と面接のスケジュールを組むのは不可能です。そのため、限られた面接枠を誰のために使うのかを決めるのがESだと思ってください。また、「あまり企業に興味を持っていないけど、一応応募しておこう」程度のモチベーションのESも存在します。そのような学生と30分程度面談するのは面談する側も苦痛です。そのため、「面談しても意味がないだろう」と思える応募者を除外するという理由もあります。
ESを書くとは?
では、ESを書くとはどういうことなのか考えてみましょう。応募者側の立場で考えると、ESを書くとは2つの大きな意味があると思います。
- 会社側が知りたい情報を提供し自分の売り込みをする
- 自分の今までの生活を整理する
会社側も暇ではありませんので、無駄な質問は一切ありません。そのため、ESで問われている設問は「会社側が今後の面談に招待する上で必要な情報であり、知りたいことである」と理解して、真摯に回答しましょう。さらにESは面接前の売り込み作業です。「自分はこんなことができます」「他の人にはできない特技があります」といったように、自分の価値を会社に理解してもらう目的もあります。
考えてみてください。会社側は、お金を払って人を雇うわけです。そのため、会社側が雇用の主導権を握っているのは間違いないです。そのため、特技などは全面的に押し出していくべきです。会社側はできる限り有益な人材を雇いたいと思っているはずなので、「会社に入って成果をあげられる人材である」ことを売り込んでいくべきだと思います。
また、①をするための前提として、自己分析は絶対必要になります。過去を振り返り、何が得意なのか、自分が大学生活中で成し遂げたことは何かを整理して、「自分のセールスポイントは何か」をESに書くようにしてください。
自分のやりたいことがまだ整理できていない人は、簡易的な自己分析方法を他のブログで紹介していますので、そちらをご覧ください。自分のやりたいことをまず見つけてからアピールポイントを見つけましょう!
ESでよく起こる間違い
「学びたいこと」と「成し遂げたいことは」全く違う
ESとは「会社に対する売り込み作業のファーストステップ」です。しかし、自分の学びたいことを全面的に書いてしまうESが散見されます。もちろん、会社側が「何を学びたいですか?」「何に興味がありますか?」という問いをしているのであれば全く問題ありません。大意に沿っているからです。しかし、「会社に入ってから何を成し遂げたいですか?」という質問に対して、「〜を学びたいです」は少しお門違いな感じはしませんか?
この設問の大意は、「会社に入ってから活躍するビジョンがあるか」「会社の方針にあった考え方をしているか」を判断しているものであり、やりたいことを書く欄ではないでしょう。そのため、設問の意図をしっかり汲み取って答えることは大切です。繰り返しになりますが、会社側はみなさんに年間何百万〜千万のお金を払うかどうかを決めているのです。「自分のやりたいことを100%やってお金がもらえるなんてことはありえない」とまず考えて、自分が貢献できる分野をしっかり定めて回答するようにしましょう。
ESは丁寧に読んでもらえない
採用担当者は何千枚というESを読んで誰を次の選考に進めるかを決めます。その際、一枚ずつ丁寧に読むことがあり得ると思いますか?物理的に無理なのです。仮に1枚に10分かけるとするのであれは、1000枚読むと10000分、166時間かかるのです。仮に5人採点者がいたとしても、1人あたり33時間で1週間の業務時間のほぼ全てをESを読むことに費やすことになります。自分自身が採用担当者だと考えた時に、こんなことをやりたいですか?きっと、効率の良い方法を模索し始めるはずです。そのため、「丁寧には読んでもらえない」ことを前提とし、1回読んだだけでわかるESを書くことがとても重要になってきます。そのため、「誰が読んでも理解できて、特徴がある内容にすることを心がけないといけない」ということを心がけておきましょう。
ESの洗練度合いをマクロな目線で分析
今までESを何万枚と読んできた経験から、ざっくり4段階に分類できる思います。ここでは分かりやすいように、「会社で何を成し遂げたいか」という設問に閉じて解説をしたいと思います。
ESの洗練度合い
Level1 : 自分のやりたいこと・やってきたことを書く
Level2:自分の成長方針を掲げて、会社の取り組みと重ね合わせる
Level3:会社の成長方向性に今の自分は寄与できるとアピールする
Level4 : Level3に加え、会社の長期的成長を予測し、その人材になるための自分の計画を述べることができる
これだけではわからないと思うので、一つずつ説明をしていきたいと思います。その前に、下の図を見てもらうと、ESを書く際にどれだけ視野を広げてかけているかということがESのレベルアップにつながっているかがわかると思います。
図を見ていただければわかると思いますが、どのような立場でESを書くかによって採用担当者に与える印象は大きく異なると思います。自己実現は非常に大切なテーマです。自己実現を諦めろといっているわけではありません。「自分の成長方向性だけを語らないようにしよう」といっているのです。Levelが上がれば上がるほど、自身の能力が会社の成長にどのように起因しているかということにフォーカスされており、会社にとって有益な情報になっていることがわかると思います。
まとめ
総じて言えることは、ESは自分語りはほどほどにして、会社の成長に起因できる人材であることをアピールすることが大切ですし、自分の存在が将来的に会社の発展につながるという内容になるようなESを書いてみると良いのではないかと思います。自分の強みややりたいことを見つけたい人は自己分析に関してもブログにまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。
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