今回もESの具体的な書き方ということで「サークル・部活動」に絞りガクチカESの比較をしていきたいと思います。実際どのようにすれば努力値を出すことできるのかをテーマに解説できればと思います。
今回のESのテーマ
あなたが学生時代にチャレンジしたことや困難を乗り越えた経験の中で、一番頑張ったと思えることを教えてください。(400字)
テーマ2: 個々のサークル・部活動で頑張ったこと
AさんのES
私はバレーボールサークルでの活動を通じて、学生時代に最も頑張ったと思える経験を積むことができました。その中でも、バレーボールサークル新入生の離脱率の改善に取り組んだ経験は、私の計画力と論理性を活かす機会となりました。バレーボールサークルでは、新入生の参加者が一定期間で離脱してしまうという課題がありました。この問題を解決するため、私はチームメンバーと協力して具体的な施策を計画しました。最初に、離脱の主な原因を調査し、その結果をもとに改善策を策定しました。コーチングセッションやメンタリングプログラムの導入、コミュニケーションを強化するためのイベントの開催など、継続的な取り組みを行いました。
計画力を活かして、詳細なスケジュールと行動計画を策定し、メンバーが参加しやすい環境を整えました。さらに論理性を駆使して、課題の分析や改善策の選定において、データや経験に基づく合理的な判断を行いました。また、改善策の効果を定期的に評価し、必要な調整を行いました。その結果、離脱率の低下に成功しました。
結論から言うと、このESはAさんという名のChatGPTが書いたものになります。読んでもらったらわかると思いますが、活動内容が抽象的すぎて、「一般論を語っているようなES」になっていることがわかると思います。
具体的にいうと
①コーチングセッションやメンタリングプログラムの導入、コミュニケーションを強化するためのイベントの開催など、継続的な取り組み
②詳細なスケジュールと行動計画を策定し、メンバーが参加しやすい環境を整えました
③課題の分析や改善策の選定において、データや経験に基づく合理的な判断
④改善策の効果を定期的に評価し、必要な調整
あたりが抽象的な表現に当てはまると思います。これではあまりにも漠然としていて何に力を入れたのか伝わらない内容になっていますし、本当にAさんがやったのかもわからない内容であると言えるでしょう。
ChatGPTに頼れば、文章は綺麗に書けるかもしれませんが、内容に具体性のないものが生成されてしまいます。そのため、自分で経験したことを自分で書くことをお勧めします。
BさんのES
大学生時代のバスケ部の活動でシュート成功率を向上させるためにAI分析を活用したことが、私が部活動で力を入れたことだ。 当時、体育館を使用できる時間が少ない中でシュート成功率を上げることが私の課題だった。 この課題を解決するために、AIを活用してシュートフォームを改善した。 具体的には、シュートフォームを分析するための行動認識AIを、既存のフレームワークを用いて作成した。/ これによりシュート時の動きを特定することができ、良い動きと悪い動きを分類することに利用できる。 そして蓄積したデータを、シュート成功例と失敗例に分類して、失敗例の共通点を見つけてその部分を修正した。/ またこの技術を他のチームメンバーにも利用してもらった。 その結果、短い練習時間の中でチームのシュート成功率を30%から50%まで向上させることに成功した。
具体化ができていないパターンのESになります。
①AIを活用してシュートフォームを改善した。 具体的には、シュートフォームを分析するための行動認識AIを、既存のフレームワークを用いて作成した。
AIを活用してシュートフォームを改善したのであれば、そのAI制作過程で困難だったこともあると思います。そこをもっと具体的に書いた方が独自性も出ますし、現代風のESになると思います。
②これによりシュート時の動きを特定することができ、良い動きと悪い動きを分類することに利用できる。 そして蓄積したデータを、シュート成功例と失敗例に分類して、失敗例の共通点を見つけてその部分を修正した。
書くことが思いつかず、似たような文章を繰り返しているように感じます。「AIにより自身のシュートフォームの良い点と悪い点を収集し、悪い部分のみを修正した。」で済む内容です。そのため、読者は、「書くことなかったのかな?」と感じます。
③またこの技術を他のチームメンバーにも利用してもらった。
字数は360字程度であり、あと40字空きがあるので、この点に関してもっと深掘りしても良かったのではないかと思える。ただの付け足しにしか見えませんでした。
このESを読んだ感想としては、AIは使ったんだろうが、「どこかに落ちているプログラムを使って試しに遊んでみた。」という経験を、少しES風にアレンジして書いてみた。という印象になると思います。
CさんのES
私が学生生活で頑張ったことはバレーボールのサークル対抗戦にて自分の所属するサークルを準優勝に導いたことだ。サークル対抗戦には20チームほどエントリーしており、高校時代に県選抜などに選ばれた人たちが所属しているサークルも存在した。我々のチームは高校時代に有名だった選手などはいなかったが、バレーボールはチームワークが重要になってくるゲームなので、とにかく「繋げるバレー」を心がけた。それを実現するために、チーム全員で練習することを心がけ、ローテーションやポジションの把握を重点的に練習した。また、バレーボールはできる限り多くの攻撃手法を持った方が良い。そのため、チームメンバーが苦手なブロードと速攻を私が率先して練習し、攻撃にパターンを作った。そのおかげで試合でも対戦相手を翻弄し、得点することができた。チームワークと攻撃の多様性を磨き続けたことから、準優勝を成し遂げることができた。
このESでは論理性もあり「頑張った内容」が詰め込まれているように思えますが、バレーボール経験者からは違和感のある内容になってしまっているパターンです。(作り話が入っているパターン)
「繋げるバレー」→それを実現するために、チーム全員で練習することを心がけ、ローテーションやポジションの把握を重点的に練習
繋げるバレーをするためには、ローテーションやポジションの把握が必要なのか?という点に疑問が残ります。ローテーションやポジションの把握は基本中の基本であり、繋げるための工夫にはつながらないのではないか?というバレーボール経験者の意見をもらいました。
一見頑張っているようには見えるのですが、同じスポーツの経験者がいると騙しきれないESになっていると思います。
DさんのES
学部時代に所属していた準硬式野球部で、マネージャーの立場から、客観的な選手の評価軸を提供するという方法でキャプテンのサポートに取り組んだ。 チームは東北地区の1部リーグで安定した成績を収めていたが、上位のチームに勝てず全国大会へ出場できていないという課題があった。私は、キャプテンが監督を兼任していることが上位チームとの大きな違いであり、勝てない原因のひとつであると考えた。そこで、本来監督が担う役割の中でも客観的な視点が必要とされる選手の起用という面からサポートに取り組んだ。具体的には、試合での打撃成績や投手成績の集計を行い、キャプテンが選手の起用を考える際に参考にできるように、選手個人の調子やチームとしての傾向を数値として可視化した。これによって客観的な選手の起用が可能となり、チームの全国大会出場に貢献できた。
問題提起から、具体的な活動内容までわかりやすい内容になっていると思うし、実際にマネージャーを経験しているからこそ書ける内容が詰まっていると思えます。字数が許すのであれば、「選手個人の調子やチームとしての傾向を数値として可視化」した方法について具体的に述べることができると、もっと具体性が増します。
まとめ
前回に引き続き同じことが言えますが、具体的に書くためには実際に活動していることが大切です。
もし、「サークル」・「部活動」で力を入れたことを語るには、競技性があることをしていたり、自信が本当に努力をしていたことを題材にしないと「力を入れていたこと」に値する内容は記載することが難しいと思います。
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